前回の記事をまとめる中で大局観はつかめたので、東京で境界知能&発達障害に合う個別の高校を検討していきたい!
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息子はこんな子!
・IQ85の境界知能
・発達障害(ADHD&ASD)
・気持ちの浮き沈みが激しく、書字が苦手
・算数は人並みちょい下くらいにできるが、他は壊滅的
凹凸の凸の部分が人より秀でている発達障害であれば活かそうと前向きにとらえられますが、全体的に知能指数が低いため、人より得意なところがありません。
息子は通常級の学校の授業に全くついていけず、ほとんど寝ています。
かといって特別支援学校に行けるほどIQが低いわけでもなく入らせてもらえない。
通級は週1程度で焼石に水…
正直、境界知能の子どもに関しては特別支援の網目が粗い印象です。
そんな中、一生懸命本や勉強会で情報収集し、高校の進路について大局観をつかむことができました。
前回の記事です↓
東京に住んでいるため、今回は東京での高校候補についてシェアできればと思います!
東京以外にお住まいの方も、ご近所の高校と比較する参考になるのではないかと思います。
ぜひ境界知能&発達障害っ子の進路について参考にしていただければ幸いです。
境界知能・発達障害の子に合う可能性がある高校種別一覧
・都立高等学校の通級
・チャレンジスクール(都立高等学校)
・エンカレッジスクール(都立高等学校)
・通信制高校・通信制サポート高校
・発達障害に理解のある私立高校
都立高等学校の通級
通級指導どうなってる?
2021年から都立高校にも通級が設置されるように!
東京ではSTEPUP教室という名で、小学校・中学校で通級クラスが設置されており、週1日の1~2時間程度、個別&グループで特別指導を行ってもらえます。
これの高校版が都立高校にも設置されるようになりました。どの都立高等学校でも対象です。
ただし、あくまで「障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服することを目的とした指導」であり、教科の補習など、学習の遅れを取り戻すことを目的とした指導は行いません。
都立高校の通級による指導.indd (tokyo.lg.jp)
実はこれ、2021年と最近になってようやく実施されることになったんです。↓
都立高校、2021年より発達障害のある生徒向け通級指導開始 | リセマム (resemom.jp)
コミュニーションアシスト講座は継続
ちなみに、今までも「コミュニケーションアシスト講座」というのは土曜日など学校時間外に開催はされていましたが、これは継続とのこと。
令和5年度コミュニケーション アシスト講座の御案内|東京都教育委員会ホームページ (tokyo.lg.jp)
デメリット
中学の内申書が肝
発達障害専門の家庭教師の先生に、最近の都内高校受験についてお伺いしたところ、「とにかく内申点が肝」とのこと。
「中3の成績だけを内申点として評価する高校もあります。一方で、中1からの成績を加味して評価される学校もあり、この場合発達障害のお子さんは圧倒的に不利。中3だけなら、発達障害でも比較的精神的にも成長している時期。なんとか保護者の全力サポートで提出物をしっかり提出するなど、いわば付け焼刃的に一定ラインに達する場合もあります。しかし中1~3全般の成績を一定レベルに保つことは至難の業。付け焼刃戦略は効かない。」
とのこと…。行きたい公立高校がどのような内申点評価を採用しているかは事前に調べる必要がありそうです。
また、いずれにしても行きたい高校の選択肢として広げるためには、内申点と学力テストの対策を講ずる必要があるため、中学で塾などに行く必要が出てくるでしょう。
個人的にはこれが不安です。私の息子は、「塾」と聞いただけで泣きわめきますので……。
エンカレッジスクール・チャレンジスクール(都立高等学校)
比較的新しくできた東京都独自の高等学校です!
エンカレッジスクールとチャレンジスクールの違い
エンカレッジスクールとは?
小・中学校で十分能力を発揮できなかった生徒のやる気を育て、頑張りを励まし、応援しながら、勉強や学校行事・部活動などを通して学校生活を充実させる全日制の高校。
チャレンジスクールとは?
不登校経験者など毎日学校に通うことが難しいという生徒向けの学校です。登校時間の幅(午前部・午後部・夜間部など)が広いのが特徴。
違いをまとめると下のような感じ!
メリット
入試に学力考査がない!
中学校で何らかのつまづきがある発達障害・境界知能っ子にとっては、幅広く受け入れてくれるのは嬉しいですね。
ちなみに入試倍率も低めです。1を切っている(つまり定員割れ)学校も多め。
発達障害・境界知能の子でも通いやすい!
スクールカウンセラーさんもいて、カウンセリングや教育相談など、心のケアに配慮したきめ細かい支援体制があります。
通学できることが前提のため引きこもり気味の子には辛い
チャレンジスクールもエンカレッジスクールも、登校できることが前提なので、
不登校傾向が強く、引きこもり気味の子にとっては、通信制高校などの方が合うと思われます。
境界知能の息子に合うのでは?ピックアップ!エンカレッジスクール
※これは私個人が、公務員や総合商社就職のための勉強ではなく、興味のある分野の専門職を目指すことを目的として勉強嫌いな息子に選択肢の一つとして提示したいと思った高校です。ご参考までに!
● 東京都立練馬工科高等学校 | 東京都立学校 (metro.ed.jp)
エンカレッジスクール×工科高校!
・学力選抜試験がないため、学力に自信がない子でもOK。
・1年次では二人担任制を導入で支援がきめ細やかそう。
・30分授業で集中力が続かない子でも安心
なにより、電気工学系の資格が取得できそうで期待大。
自分に合った都立高校を探すのにおすすめのサイトはこちら!
だから都立高 | 東京都教育委員会 (tokyo.lg.jp)
めちゃめちゃ検索しやすい。素晴らしすぎる。東京に住んでて良かった。
発達障害に理解のある私立中・高一貫校
境界知能・発達障害OK!と公言している私立中・高校は少ない
特別支援教育体制がない
これも発達障害専門の家庭教師さんから聞いたお話↓
発達障害OKと公言している私立中高は極めて少ない、というより私が知る限り1つだけです。学校側としては、たとえ実際に発達障害の生徒さんを手厚く支援していたとしても、それは組織的に特別支援体制を構築しているわけではなく、個人的に先生が努力しているだけというのが実情。「発達障害の我が子も伸び伸びとやっています♪」と先輩ママが言ったとしても、それはたまたま熱心な先生が担当してくれていただけの可能性があります。
確かに、私立学校説明会で「発達障害の受け入れはしていますか!?」と質疑応答で保護者の方が質問した際、どこの学校担当者も困り顔をしていたのが印象的。
唯一?発達障害OKを公言!星槎中学校・高等学校
この学校は発達障害界隈では特に有名ですよね。
先生一人に対して生徒20人という少人数教育に加えて、個別指導計画もあり、特別支援教育が手厚いです。アーク溶接の特別講習やフォークリフト講習などの資格取得へのフォローも充実。神奈川で少し遠いことと学費が高いことがデメリットでしょうか……。
私も個人的には、特にキャリアコースに興味があります。
キャリアコース | 横浜市の星槎高等学校 (seisahighschool.ed.jp)
境界知能っ子ならではのメリット
高校受験がない、自身に合った授業レベル
これも発達障害専門家庭教師に話を伺いました。
「発達障害受け入れがある」という中学校一覧がネット上にありますが、偏差値70など勉強のできるASDタイプが多い傾向。境界知能の子に向く私立学校は、特別支援が手厚いからというより、①高校受験がない②同じレベルの子が集まるので自身に合った授業レベルという主に2つのメリットを享受するため選ぶことが多いと思います。
夫が私立中高一貫校出身ですが、「進学校なので勉強はほどほどに頑張る必要があったものの、高校受験がない分、音楽やギターなど大切なことに集中することができた」と話しています。多感な中学時代を高校受験勉強だけで終わらせるのは確かに機会損失ともいえるかもしれません……。
また、高校の進路というより中学の話になりますが、公立中を選ぶと、学力もピンからキリまで幅広いレベルの子が在籍していてクラスの授業も自ずとその平均くらいのレベルになってしまいます。一方で、同じレベルの子が集まる中学なら、授業もそれに合わせたレベルになるはず。これは境界知能っ子には大きなメリットかもしれません。
通信制高校・通信制サポート高校
メリット
少ない単位数で卒業できる!
一般的な高校では朝から夕方まで授業があって、100ほどの単位数が必要。
一方、通信制高校・通信制サポート高では、一日2~3時間、74単位で卒業が可能。
長い勉強時間に耐えられなそうな多動息子にはありがたいお話……。
高卒資格を取りうるだけの必要最低限の教養のみの授業量でお願いしたい、という子には向いていると思います。
中学の内申点を重視しない入試
発達障害・境界知能の子にとって、提出物や授業態度を評価される「内申書」は圧倒的に不利。テストなら前日に人の1.5倍がんばれば、もしかしたら平均点くらいはとれる可能性はありますが、日ごろの提出物や授業態度は一朝一夕で直すことは不可能(可能だったら発達障害なんて言ってませんよ……)。
その点、内申点を重視しない通信制高校の入試は、境界&発達っ子にはかなりのメリット。入学試験対策のための精神的・経済的負担が軽くなります。
就職に向けた専門性のある教育内容
公務員や総合商社などに就職することを目標としていれば、当然MARCH以上の大学卒業を目標として普通科高校で幅広い科目を勉強…ということになりますが、前回の記事のとおり私の息子にはそのようなことが望めません。
あくまで最低限の教養を身に着け、最低限の生活能力を獲得し、限られたリソースの中でどこかの専門性に特化して一極集中で勉強しなければ、就職することは難しいと私は考えています。
その中で、通信制高校は、アニメやプログラミング、農業、工業…多彩なカリキュラムが用意されているため、職業に直結する分野で興味のあることを探せるようになります。
性格によってはデメリットも
自分で自分を律して通わないと卒業できない
基本的には通信制は通信教育のため、自宅学習が基本。
自宅の方が集中できて能力が発揮できる!という場合は向いていますが、結局YouTubeを見て一日が終わってしまった…という子もいるのが事実。
そのため、週1日~5日通学できるようなサポート校を併用している子も多いとのこと。
このサポート校が千差万別で、不登校に特化していたり、発達障害に特化していたり、密着型だったり、放置型だったり…個別性が強いため、「サポート校」とひとくくりに考えず、サポート校を個々に検討する必要がありそうです。
↓こちらの本、網羅性があり探しやすかったため利用しました!
学校行事や部活が盛んでない場合も
一般的な高校に比べると、体育祭などのイベントや部活動が盛んでない点は確かにあると思います。
私の息子はそういったイベントが嫌いなので、問題は特にありません…!
ピックアップ!都内の通信制サポート校
※これは私個人が、公務員や総合商社就職のための勉強ではなく、興味のある分野の専門職を目指すことを目的として勉強嫌いな息子に選択肢の一つとして提示したいと思った高校です。ご参考までに!
● 初めての方へ(明蓬館高校の特徴) - 【公式】通信制高校 明蓬館高校 (at-mhk.com)
● N高等学校・S高等学校 (通信制高校 広域・単位制) (nnn.ed.jp)
参考
これらの記事を書くにあたって、参考になった本は以下のとおりです。
2021年出版なので、まったく古い内容ではありません。
筆者の山内先生は教育業界歴が長いことはもちろんのこと、特別支援教育専門の学校心理士としての歴も長いため、現場を踏まえた実用的な知識を教えてくれます。
進路について大局観がしっかりつかめました。
2023年出版の山内先生の最新作。
グレーゾーンのお子さんをお持ちの保護者の方にも参考になると思います。
Q&A形式で大変わかりやすく勉強になりました。
また、発達障害専門家庭教師の先生のご意見も引用させていただきました。
この場をお借りしてO先生、ありがとうございました。
まだまだうちは進路検討中ですが、あくまで最終的に進路を決めるのは息子自身。
とはいえ、高校の種類はあまりに多く、大人の私ですらかなりの勉強が必要でしたので、選択肢を息子自身で探すことなんてできません。
この中から3つほど選んで、この場合はこういう職業になれる、こういうデメリットがあるなど丁寧に説明して、選ばせたいと思います。