不動産投資

【体験ブログ】都内23区中古戸建マイホームの妥当な購入金額、価格交渉どうやった?

まずはじめに申し上げますが、決して大幅値下げ!大勝利!な結果ではありません(笑)
あくまで妥当な購入金額を計算し…無理のない一般的な値下げ交渉を行いました。
結果、私が妥当だと感じる値下げ幅8.2%引きで着地です。
一般的な値下げ交渉に興味がある方はご参考までどうぞm(__)m

私が買った都内23区内中古戸建情報

・再開発予定駅、徒歩6分、築10年

・建築したのは地場工務店。インスペクション済(大きな問題なし)。リフォームなし。

・売り出し価格→値下げ、その値下げ価格から8.2%引きで着地。

価格交渉に向けて、妥当な購入価格を計算する

土地と建物の価格を算出

土地の価格

土地は一物四価と言われるように、値段のつけ方がたくさんあります。

そして、ご存じのとおり、不動産は買主と売主の事情により大幅に値段がぶれます。

しかし、さすがに1億の価値がある物件を1,000万で取引していたら可哀そうなので、国も「正常な取引価格はこれくらいですよね~土地の接道とか取引する人の事情で多少はぶれるけど~」という感じで公示地価を公表しています。ところが自分が買う土地のピンポイントが公示地価の場所になっていることはそうそうありません……。

そこで、固定資産税評価額です。個人的にはこれが土地の事情も加味され実勢に近い価格が出てくるように感じています。

売主から不動産会社経由で固定資産税評価証明書をもらい、その土地評価額から計算してみました。

計算のポイント
・固定資産税土地価額(固定資産税評価証明書に記載してある)は公示地価(国土交通省が公示する正常な価格)の0.7倍
・都内では公示地価よりは多少土地が高く取引されている傾向。補正率を1.1~1.5の間で掛けます。(ここは買おうとしている地域の相場によって違います。)

試しに計算してみます。

例えば…
(固定資産税土地価額)2000万 ÷0.7 × (都内補正値)1.2=約3428万円←妥当と思われる土地の値付け

という感じです。

建物の価格

そして建物ですが、私の場合は新築で建てた時に大体どれくらいかかるかをローコストハウスメーカーから見積りをとって相場を知りました。

ただし、最近は建築費が高騰しているため、見積り÷1.2した金額が大体10年前の相場だろうと計算。

建物の価値が1年ごとに建築価額×0.046(木造の償却率)減ると考えます。

例えば…
建築費2300万÷1.2×0.046×10年=約881万円←新築時より価値が減っている額
2300万-881万=1419万円
つまり築10年の今回買おうとしている建物の価値は約1419万円です。

注意点

計算してみればわかりますが、土地の補正率によって数百万単位で値段が変わりますので、あくまで「さすがにこれは値付けが高すぎる」というのを見分ける程度のものと認識した方が良いと思いました。逆にこれで計算してみて安すぎるようなら不動産業者の担当者が新人かなにかでの値付けミスです。値段交渉などせず即購入した方が良いです。投資家や不動産業者が狙ってきます。

売主はいくらで買ったのかを探る

これは登記簿で確認しました。

今回の物件で見てみると、なんと売主は現金をかなり入れて購入しているらしく残債もほぼない状況。
フルローンで買ってれば借入額が購入価格のヒントになったのですが…

余談ですけど、この現金を多くいれるってあたり、売主さんの堅実な性格がわかりますよね。
私だったら「この国の低金利を最大限享受したい!手持ち資金を厚くして投資!もちろんフルローンで!低金利なら借金喜んで!」となっちゃいますよ。←投資家魂。

ただ、上記のような方法で計算すれば売主が購入した価格がなんとなくわかります。

今の販売価格より10%引いても、利益がのるような算段だと思われました。つまり実質家賃10年間無料+利益です。

いいなー、売主さん。ほんと10年前にマイホームを都内で買った人は全員含み益ですよ。羨ましい。

月々の返済+支出額を計算しても賃貸より安いか

戸建てを購入する条件は人それぞれですが、私の場合は「賃貸より安くて広くて住み心地がよくなければ意味がない」と強く決意していました。

なぜなら、持ち家は流動性が極めて低く容易に引っ越せないリスクが圧倒的に大きいのです。隣に変質者がくるかもしれませんし、地域で子どもがいじめに遭うかもしれません。賃貸なら1か月ですぐ引っ越せますが、持ち家の場合売却活動に数カ月以上かかります。

このリスクを背負う以上は、それ以上の経済的メリットと広さがなければ意味がないと考えました。

そこで、この低金利がいつまで続くかわからないため、仮に変動金利が1%になっても今の賃貸より安いかを計算。

ほか、考慮した項目は以下のとおりです。

・ローン返済額
・修繕積立金(10年後に100万必要と仮定)
・火災保険料・地震保険料
・固定資産税
・住宅ローン減税
・リフォーム補助金
・諸費用
・会社の住宅補助金 など…

これらをすべてExcelで計算し、今の賃貸より安くなる、私たちが買えるラインの購入価額を算出しました。

出口戦略

人生何があるかわかりません。やむを得ず引っ越さなければいけないこともあるでしょう。

その場合大きな損失とならないよう想定しておかなければなりません。

①売却

「ローン残債」+「購入時諸費用」+「売却時の仲介手数料」+「譲渡所得税」が売却の最低ライン額です。

ただし、マイホームの場合は、ほぼほぼ3000万控除を使えるためおそらく譲渡所得税は0円でしょう。

今回購入する家の最寄は再開発予定がありますが、実需物件が多い地域のため、物件価格にまだ再開発による値上げが十分には織り込まれていない状況。再開発後に市民の実感が伴ってようやく不動産価格が上がってくる想定です。

人口統計でもあと20年は増える予定で、少なくとも地価が下がることはないと想定。

売却するとしても、上記売却最低ラインを下回ることはないと判断しました。

②賃貸

介護などの理由があって引っ越さなければいけない場合、銀行に事情を話して賃貸する可能性もあります。

その場合はある程度金利について相談にのってもらえれば、少なくとも投資ローンよりは有利。(金利変わらずのこともあるらしい)

最悪、相場より多少安い賃料でも問題なく利益確保できると判断しました。

いよいよ価格交渉

私は約半年前から理想の物件を求めて内見を重ねていました。

その中で迷っていたのは2戸。

①駅徒歩4分の物件(以下「駅近A」と呼びます)
②今回購入する本命物件(以下「本命物件B」と呼びます)

本命物件Bは、正直見た目よりポテンシャルを感じました。ごみ屋敷とまでは言わないのですが、とにかくモノが多く全く踏み場がないので内見する人の心象は悪いだろうな、と。でもきっと売主さんが出ていってモノがなくなれば、内見して買い手がぞろぞろくるようなやつだな、と思いました。

駅近Aについては、売主の買取再販業者の決算が近いのかなんなのか、なんと即決ならの条件付きで10%程度の値下げに気前よく応じてくれていました。しかし、正直間取りが気に入っておらず……。

今回私が購入することとなる本命物件が、もう少し値下げしてくれればベスト。

そこで、購入申し込みをする際、交渉材料としてこの「駅近A」を引き合いに出してみることにしました。

しかも買い手はまだ私たち以外いないため、多少心に余裕のある交渉です。

決めた着地点は8%引きです。

正直、駅近Aの方が面積も広くてリフォーム済で綺麗でなにより駅近…今回の本命物件と同じ値段。それなら駅近Aを買いたいです。もしこちらの本命物件Bについて10%引いてくれれば即購入します。なぜなら、この家の場合、土地価格が●●円、建物価格は減価償却を踏まえ●●円、さらに壁クロス・床・照明などを修繕する必要があるため、10%引きが妥当です。ちなみに駅近Aの土地価格と建物価格はこちらで、明らかにAの方が割安ですよね。これを踏まえるとやはりこちらの物件、10%引きが妥当です。修繕の概算見積り書がこちらです。もしお値引きしていただけるようでしたら、契約不適合免責で構いません。(インスペクションで安心できているため)

不動産業者「確かにそれはそうですね…売主様にかけあってみましょう。2回ラリーを続けて価格決定する形で進めましょう」

(…おそらく売主さんは、間をとって5%引きで打ち返してくるだろう。大体間をとってくるでしょうから。)

~後日~

不動産業者「5%引きでいかがでしょう、とのことです」

(案の定!)お手紙を書きましたので、それを添えて、8.2%引きで交渉お願いできますか。

当初のとおり、私は着地点は8%だと考えていました。

おそらくここからは売主の気持ちの問題なのです。

前述のとおり、売主としては10%引きだとしても自分が10年前に買ったときの価格を上回るので、それ以上であれば利益がのる状態。そして、「高ければ高い方がいいけど~う~ん」と、優柔不断に。ということは気持ち的に納得さえしてくれればいいのです。最後、売主の提示した価格で買主が飲めば売主としては気持ち良くOKしてくれるでしょう。それを逆算してうまく買主としての希望額に導く必要があります。

私の想定の流れ
8.2%引きで打ち返す→売主が8%引きを提示→私が「売主様が気持ちよく売ってくださるなら…わかりました」→売主「やった!」(買主の私「希望額で買えた、良かった!」)

というwinwin!気持ち良い取引となる目論見!!

~後日~

不動産業者「売主さんもかなり悩んでまして…40分くらい頭抱えてまして…結局8%引きでいかがでしょうか、とのことです」

ありがとうございます。駅近Aと8%引きの本命物件Bどちらが良いか、主人と話し合って折り返します。(よし、8%引きで買おう)

不動産業者「そうですか。…実は、仲介手数料を20%、私の決裁で値引くことが確実にできます。そうすればトータルでもののかほり様ご提示の8.2%引きが叶えられます。ご検討いただけませんでしょうか」

…!?!?

予想外の展開です。ありがたい誤算。「8%引きオッケーです!」と即答しなくてよかった。。

はい、購入します。

後日談

もう一つ嬉しい誤算があり、なんとこの建物、耐震等級3でした。
不動産業者も知らなかったとのこと。
地震保険料が安くなります!嬉しい。

何回か価格交渉はしてきましたが、個人が売主の中古戸建は比較的買いやすいな~と思いました。
新築の一戸建ては、建築費の高騰により購入が困難になっています。一方で、中古の一戸建ては、建築費が現在よりも安かったため、どう売却しても利益が出る状況です。そのため、中古の一戸建ての場合、売主に余裕があり、値引き交渉がしやすいと感じました。

いよいよこれから引渡しです。
やることはたくさんありますが、自分の家らしくインテリアを楽しみたいと思います♪

  • この記事を書いた人

もののかほり

離婚→シングルマザー→子連れ再婚(事実婚)の波乱万丈、紆余曲折あって今は幸せな生活を送る30代。 賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/日本証券業協会 ニ種外務員資格

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