発達障害

【境界知能ブログ】勉強はできる?点数公開!学力よりも非認知能力…!

IQ85、境界知能、発達障害、勉強大嫌いな小学6年男子を育てる母のブログです

前提として、小1のときの息子のレベルはこんな感じです↓
境界知能とされるIQは70~84。厳密にいえばIQ85はギリギリ境界知能ではないと思いましたが、医師から「前回IQが83だったことを考えれば、境界知能といえます」と診断を受けました。

結論としては、「境界知能(IQ70~84)でも勉強はできる可能性は十分ある」「なぜなら、学力を因数分解すると、IQのほかに精神発達、勉強の質・時間の要素があるため」となります。

今回は、小6になった息子の学校の成績を振り返り、我が家の戦略についても詳しくご紹介します!ご参考になれば幸いです。

境界知能、小6息子の成績

前回の記事は息子が小学1年生の時のものですが、現在は小学6年生。学習内容が格段に難しくなり、できる子とできない子の差が顕著になる時期に差し掛かっています。

公立小学校のフルカラーテストに関しては、「100点を取るのが当たり前」「90~95点が多くの生徒の得点帯」「平均点は85~95点」との説がありますが、ざっくり90点を取れていれば「普通」と言えそうです。

では息子の成績はというと…

2学期のカラーテスト(12月実施)
※表:100点満点、裏:50点満点
〇算数:表100、裏45
(ノー勉強)
〇国語:表85、裏45
(漢字のみ毎日5分勉強)
〇理科:表90、裏45
(前日のみ20分テスト勉強)
〇社会:表88、裏40
(ノー勉強、授業中は寝ている)

…なんか、思ったより平均的な点数な気がしますよね…
もちろんひどい点数のときもありますが、のび太くんみたいに0点とか30点とかそういうことはなく、小学生になってから70点台をとったのも数える程度。

WISCのIQが平均100のところ息子は85なので、カラーテストの平均点が90点だとすれば×85%で76点前後(50点満点の裏なら38点前後)が多くてもおかしくありません。

担任の先生からも「授業も聞いてないし塾も行ってない、境界知能の診断を受けている…その割には、テストの点が悪くないのが不思議」と言われてしまいました…

考えるのは苦手、正解があるものは人並みに

点数は意外にも平均に近い数字でしたが、内容を見ると息子の傾向が見えてきます。正解が明確で、覚えることが少ない問題は人並みに解けるということです。

以下は科目別の総評です。

・算数は得意(注:平均レベル)。息子は「単位を書かない」「式を書かない(暗算を好む)」ために部分点を失っていますが、解き方自体は理解できているようです。息子は16×17のような計算も暗算で解きます。境界知能でありながら暗算が得意なのは不思議です。そろばんとかもやってないのに。(WISCも全ての分野で平均以下のスコアなので、発達障害で算数能力だけ凸というわけでもありません)

・国語については「テストは初見でも、ほとんどが抜き出し問題なので読めばわかる」と言っており、文章問題は事前の勉強なしでほとんど解けます。しかし、「この時の気持ちを書いてください」といった考えを要する問題は解けません。明確な正解がない問題には苦手意識があります。また、不器用さとワーキングメモリーの低さが原因なのか、漢字が苦手です。

・理科は平均的です。覚える量が少なく、正解がある問題が多いためです。

・社会は記憶すべき情報が多すぎるため、ワーキングメモリーが低い息子には難しい科目です。

なお、基礎学力を測るKABC検査でも、WISCよりも良い結果が出ました。WISCは生活力やコミュニケーション力も含めた診断であり、KABCは学力のみを測定します。担当した心理士の方からも「境界知能であっても、WISCで示されるIQスコア以上に勉強ができる可能性は十分にあります」と説明を受けました。

IQと学力が完全に相関するわけではない

学力がWISCのIQと完全に相関するわけではなさそうだと気付いた私。
それでは学力の因数とは何なのでしょうか。
そこで、仮説として以下の式を考えてみました。

もののかほり作

学力はIQだけでなく、努力できる遺伝子や素直さ(こだわりなく先生の教えを受け入れる力)、忍耐力などの精神的発達(ここに大きな偏りがあると発達障害と診断される)が大きく相関するのではないかと。

ポイントは足し算ではなく、掛け算だということです。
極端な話、どれかがゼロなら、学力はゼロというイメージです。

例えばIQが130もあって、かつ努力できる遺伝子も持ちあわせ、教育環境に恵まれて自分に合う勉強方法で大量の時間を勉強に投資することができれば、相乗して学力も高くなるわけです。
一方でいくらIQが130あっても、異常にこだわりが強くて忍耐力もなく、自分に合う勉強方法が見つけられてなかったりする場合は、いくら勉強時間が長くても学力は伸びにくいと思われます。

7:3というのは、すみません、特にエビデンスのある数値ではなく仮の数字ですが…
「IQ×精神的発達」のほうが学力との相関性は高いというのは確かではないかと。

息子の場合はIQが低く、さらに精神的発達の数値は低い想定です。こだわりが強く、「俺の答えが合ってる!!問題がおかしい!!」と間違いなおしもイライラして進みません。授業中も20分も座っているとソワソワ。とにかくイライラ・ソワソワしやすく努力できない遺伝子の持ち主のようです。
ただ、息子の場合、「先生の話を聞いていると眠くなるから、いっそ無視して授業中に自分のペースで教科書を読む方が合っているな」と気づいたことが要因として大きいように思います(図でいうところのcの勉強の質)。さらに、理科系のyoutubeや算数漫画で得た知識が活かされているということも大きいかもしれません。(これも図でいうところのcの勉強の質)

ちなみに私の弟はIQが63の軽度発達障害なのですが、私大薬学部を卒業しています。
性格が素直で先生の言うことをよく守り、努力できる才能に恵まれていました。
家庭教師の先生の言う通りの勉強方法に従い、言われたとおり1日中勉強していました。(うちの息子なら無理)
担任の先生からは特別支援学校への進学を勧められましたが、父と家庭教師はそれらの意見をはねつけました。父は障害受容していなかったのです。やればできるはずだと、毎日のように家庭教師を張り付けて、勉強させました。弟は無事、薬学部に合格し、卒業しました。(彼にとってそれが良いことかは姉の私としては疑問があるものの…能力以上のことを求められ、ちょっとかわいそうには感じてしまいましたが…)
とにかく、弟の場合、IQは63と低かったものの、図でいうところのxとbcの数値が高かったため、大学を卒業できるほどの学力を得られたと考えられます。

学力より「非認知能力」を育みたい

もちろん、学力や学歴は重要です。
しかし、個人的な意見としては、学歴は自己ブランディングの一要素に過ぎず、学力はスキルの一部分に過ぎないと考えています。
弟の場合、大学を卒業できたのは父親と家庭教師からの全面的なサポートがあったからこそ。肝心の正社員の就職活動では何度も面接に落ち、父と家庭教師のテコ入れでギリギリ面接に通ったとしても、コミュニケーション力や習得力不足で実際の仕事には適応できませんでした。
現在、弟は一般就労枠のアルバイトとしてスーパーで働いています。(障害者枠ではなく一般就労枠なのが凄いと思いますが)
学んだ具体的な業務内容を毎日ノートに書き、帰ってからも見返して、なんとか適応しているようです。

私が息子に望むことは大学卒業ではなく、「親がいなくても自立して、心身ともに健やかに生きること」です。
そのためには「きちんとお仕事でお金を稼げるか、家事や家計管理などもできるか」が大事。

そのために必要な能力として、例えば…

・人間関係を構築する上手さ(上司を上手く立てて昇進、日ごろの小さな雑務をこなし信用力を得る、すぐ拗ねない、悪口を言わないなど)
・モチベーション調整力(やる気に左右されず淡々と仕事する力)
・課題解決力(正解のない課題について考える力)
・行動力(アイデアだけではなく実行に移す力)
・忍耐力(嫌でも耐える力)
などなど…

これらはどれも仕事・家事をする上でとても重要な力。
そう、「非認知能力」です!
息子にはこれらのいわゆる「非認知能力」を身に付けてほしいと感じています。

息子は、興味がないことや他の人が既に取り組んでいる分野に対しては、「どうせ負ける」と感じてしまうため、努力をすることが難しいのです。もっとレジリエンスを身に付けてほしいと思います。

今後の戦略

学力は上記のとおりそこまで重視していないとはいえ、必要最低限の教養レベルは維持してほしいところ。
特に息子は「他の子は理解しているのに自分だけが理解できない→劣等感を感じる→勉強する意欲を失う→努力をしなくなる→自分だけが理解できない…」という負のスパイラルに陥りやすい傾向があります。

そこで私がこの負のループから抜け出すために採った戦略がこれです。

「小さな池で大きな魚戦略」

初めて生成AI使いました(笑)

つまり、大きな池(普通級)では溺れないようもがくのではなく、ぷかぷか浮く(最低限の教養を身につけ、テストの点数にこだわらない)ことに専念します。
そして、小さな池(個別指導塾や家庭教師、フリースクールなど、他と比較されない環境)をメインの居場所として、大きな魚(スモールステップで学び、自己肯定感を育む)になり、成長を促します。

学力に関しては、このような戦略で対応可能かなと。
従前の私は教育ママ的思考で、最低でもMARCHに!と考えていましたが、今はまったくそんなこと考えていません。。
本人が気に入ればという前提付きではありますが、中学はフリースクールなど障害に理解のある環境に進むのも選択肢として考えています。

問題は、(しつこいようですが)学力より「非認知能力」の方だと私は考えています。
確かに、ドリル学習を黙々と行うことで忍耐力などの「非認知能力」が鍛えられる面もあります。
しかし、家庭や部活、グループワークなど、勉強以外の場での伸びしろが大きいと考えられます。

非認知能力に関して多くの本を読んだ中で、小学生高学年から中学生に最も実践的だと感じたのはこの本です。↓

2023年11月に出版された新作で、レビューはまだ少ないものの、内容は理解しやすく実用的です。グループワークを想定しているようで、教育現場や療育に適していると思われますが、私は息子と夜寝る前にこのワークを行っています。「忘れ物をよくする」「悪口を言われているような気がする」といった、明確な正解のない状況への対処を問うもので、親としても深く考えさせられる内容ですね。

子どもの非認知能力が育つ! 自分と他者を大切にする33のワーク [ 高口恵美 ]

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感想(0件)

しかし上記の本(ワークブック)は一緒に取り組む必要があり、親の手間がかかるため、私はこちらの神漫画も活用しています↓↓

学校では教えてくれない大切なこと友だち関係(特別3巻セット)新装版

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感想(21件)

漫画なので面白くて読みやすく、息子はこの「学校で教えてくれない大切なこと」シリーズが大好きです。(全巻持っています)
「学校で教えてくれない大切なこと」、つまり非認知能力に直結することだと感じています!!

やれることを実践していくのみ、あとは期待しすぎず、息子を信じる、どうとでもなる!というスタンスでいきたいと考えています。

余談:両親も境界知能?

境界知能は遺伝なのか、という点について医学的なところとなりますので専門家の方に譲ります。
今回の記事では、皆さまから「失礼ながら、ご両親の学歴などは…?」とよく聞かれるため、ここで書いてみようと思います。

母(私)

偏差値65~68の私立中学(進学校)→偏差値63~67の高校→MARCH→公務員(成績上位で入庁)→相対評価の勤務評価5以上(上位20%)
小6のときに親に頼み込んで、私立中学受験のために半年だけ塾に通わせてもらえました。経済的に困窮し、高校はエスカレーターで進学できず、学費の安い高校へ入学。そして給付型奨学金をいただくことで国立より安くMARCHに進学。
中学受験の半年以外はすべて独学です。東大・早慶に受かるほど頭が良いとは全く言えないけど、馬鹿真面目な性格なので、勉強も好きでまあまあ成績は良かった…という感じです。地頭は良くないけれど、コツコツ努力するタイプ。

公立中→私立進学高校→MARCH→公務員→相対評価の勤務評価もまあまあ
勤務評価は「まあまあ」と聞いてただけなので具体的な数字は知らないのですが、MARCH自体が大学進学上位15%ということを考えれば少なくとも勉強が苦手ではなかったのだと思います。上司や部下から愛されるキャラでしたので、トントン昇進。コミュニケーション力も問題なかったと思います。彼もコツコツ努力型な気がします。

私たち両親は、そこまで勉強が嫌いではありませんでした。IQはわかりませんが、努力できる才能はあったのかなと思います。クラスでは1位ではないけど、2位か3位くらいの成績でした。だからこそ、息子がなぜ勉強について努力できないのか、上位に食い込めるだけの点数がとれないのか、理解に苦しんでいました。今思うと息子が可哀そうになるくらい「なんでできないの!?さっき言ったよね!?」と叱ってばかりの毎日。境界知能・発達障害であることがわかって、初めて「むしろIQはこんなに低くて、精神発達的にも偏りがあるのにもかかわらず、自分に合う方法で勉強していて偉いな」と思うようになりました。

気づけただけで、叱ることが減って、息子の笑顔が増えて本当によかったと思います。

  • この記事を書いた人

もののかほり

紆余曲折あって今は幸せな生活を送る30代。 血と汗の染み込む土地で禄を食みながら、境界知能・発達障害の息子と転げまわる毎日。 賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/日本証券業協会 ニ種外務員資格

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