えー!!東京都の通級(特別支援教室)に通っているけど、1年で切られちゃうの!?
一時期、twitterでは阿鼻叫喚でした。
時間が経った今、改めて「原則1年最長2年」を正しい理解として整理したいと思います。
結論から言うと
「原則1年はあくまで原則。例外も多くある。ケースバイケースだよ。」ということです。
著者はこんな人!
・元公務員で福祉関係の部署も経験
・子どもはASD+ADHDの境界知能小学4年生
・東京都の通級(特別支援教室)利用中
元公務員が裏側も含めて解説しますのでどうぞ最後までお読みください!
なぜ指導期間の制限をもうけたのか?【理由】
主に2つの課題があったと考えられます。
①障害児の増加により、特別支援教育に係る人員が足りなくなった
②十分な検討を経ない指導継続や退室後に再度の指導を要する場合の子供や保護者の手続きへの不安を感じている実態
…正直、一番大きな裏の要因は①だと思われます。
②は、東京都が示したガイドラインの改定(概要)資料に書かれていた理由です。
(参考:公立小・中学校の特別支援教室に係るガイドラインの改訂について(概要))
実際、1年間(最長2年)しか通えないのか?
東京都の担当に確認したところ…
結論として、「あくまで1年・2年は一つの区切り。厳格に一律、最長2年までしか通えない!ということでは決してない」とのことです。
従来では、課題として、定期的な振り返りや目標の設定、成果の評価が不十分な部分があったと認識しています。
そこで、在籍期間に区切りを設けて、「この子が本当に困っていることは何なのか」「本当にこの指導方法で合っていたのか」をチェックします。1年・2年の区切りを設ける最大の趣旨は、この「振り返り、PDCAでいうC(check)」にあります。
指導目標が達成できていなければ、改めて適切な支援策について検討し、特別支援学級を継続できます。
一度、退室した児童も、やはり指導が必要だと判断されれば、改めて特別支援学級に通うことも可能です。
つまり
①PLAN(計画) 目標設定・具体的な支援内容を設定←ここをしっかり行おう!と今回のガイドライン改定で明記
②Do(実行) 特別支援学級と担任、家庭が連携して実行
③Check(確認) 「一年目標に向けて頑張ったけど本当にこれで子どもにとって良かった?」を確認←これをするために一つの区切りとして在籍期間を設ける
④Action(行動) 前回の確認を経て、来年も通級に通うかor通常級のみとするか決定
...特別支援学級を継続する場合は、このPDCAを繰り返し。
…ということなんですね。
来年で絶対特別支援学級切られちゃうの??という不安が晴れました…。
注意点
今回のガイドライン改定により「絶対1・2年で打ち切り!」ではないことは分かりましたが、私としては不安が残ります。
まず、今回の改定の絶対的な背景として、先述した「障害児の増加により、特別支援教育に係る人員が足りなくなった」という課題が厳然としてあるという点です。
ご存じのとおり、学校の教職員の方は(障害児の増加など諸々の理由により)膨大な業務量が上乗せされ、かなり疲弊している状況です。
そのような状況下で、子どもの課題に気付けず、楽観視してしまったり、悪質な場合は課題を感じていたとしても自身の負担を減らすためにあえて問題視しない可能性もあります。
(そんなことありえないと信じていますが…。)
今回の改定で、指導目標が達成されれば一定程度の方については「打ち切り」になります。
しかし支援が必要だと思う方にとって必要なことは、漫然と「なんか不安だから通いたいな…」という曖昧な要望ではなく、「子どもに〇〇の課題があり、〇〇の支援が必要です」という明確な意思表示を学校側に行うことだと思います。
いずれにしても、今回のガイドライン改定はフローが明確化されるなど概ねポジティブな内容かと思いますので、私もきちんと学校の先生や専門指導員の方と連携していきたいと考えています!